29歳、離婚しました。

家事は元妻にまかせっきり。そんな生活力ゼロ男の離婚後の生活を綴ったブログです。著者がその後の生活の中で見つけた生活術やお役立ち情報をお届けします。

PCにグラフィックボード(グラボ)って必要なの?

      2018/04/22

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これはオーバースペックじゃない?

昨日友人から、このパソコンを買おうと思うので、構成を確認してほしい、というメールが届きました。

その内容をまとめると、以下のとおり。

  • 主な使用目的は、ExcelやWordでの資料作成、YouTubeによる動画の閲覧、ネットの閲覧。
  • 画像編集や映像編集などはしない。
  • デスクトップ型を希望。
  • モニターは現在使用中のものを流用するので、必要ない。
  • スペックに問題はないか?
  • もう少しどこかをスペックダウンさせて、安くできないか?
  • 構成は添付ファイル(とあるメーカーのオンライン見積もりのスクリーンショット)参照。

さっそく添付された構成内容を確認してみると、いわゆるBTO(Build to Order)と呼ばれる、自分で構成を決めるタイプのパソコンで、税込約15万円。

これはかなりのハイスペック…。
というか、オーバースペックじゃないかと…。

価格の1/3はグラフィックボード!

構成を把握したはるるは、さっそく友人に電話をし、事情聴取。

はるる『あれ、見たんだけど、何のゲームをするの?』

友人『ゲーム?ゲームなんてしないよ?なんで?』

はるる『グラボ、あ、グラフィックボードがついてるじゃん。だからゲームをするんじゃないの?』

友人『えっ?いやいやあれがないと画面が映らないじゃん。どうせならキレイな画質でYouTubeを見たいから、あれにしただけだよ。』

はるる『…あれがなくても画面は映るよ?それにグラボを付けたところで画質が上がることはないよ?』

友人『…。本当に?』

はるる『うん、本当。ちなみにグラボをはずすだけで、5万円ぐらいは安くなるね。』

友人『!?それは助かる!』

はるる『他の部分もオーバースペック気味だから、バランスを整えると、多分8万円くらいの構成でもサクサク動くと思う。その構成を送ろうか?』

友人『頼むわ!いやー助かる助かる。なるはやで!(なるべくはやく)』

はるる『りょーかい!じゃ、また~。』

ちなみにこちらが、友人がパソコンに付けようとしていたグラフィックボードの同等品。

NVIDIA(エヌビディア)というメーカーさんのGTX970というGPUを搭載したモデルで、2015年4月現在の価格は4.5~6万円前後。
ハイエンドよりのモデルで、たいていの3Dゲームはそこそこの画質設定で動くはず。

ただ大抵の人にとっては、間違いなくオーバースペックで、宝の持ち腐れ、お金の無駄遣いになってしまいます。

そして電話を切って、友人のパソコンの構成を検討していると、ふとこう思いました。

勘違いで、わざわざ高いパソコンを購入してしまっている人がいるのかも…

今回のケースで言えば、グラフィックボードがないと、画面に映像を映せないので必要だ!
という勘違いから、グラフィックボード付きの高額のPCを購入しようとしていたように、です。

そこで今回は、PCにグラフィックボード(グラボ)って必要なの?というテーマでお送りします。

グラフィックボード(グラボ)って何?

グラフィックボードは、モニター(ディスプレイ)に表示すべき内容を計算し、表示のための命令を出す部品。
つまり先ほど友人が言っていた、『あれがないと画面が映らない』というのは正しいのです。

ただ後述する理由により、今時のPCを普通に使用する分には、多くのPCではまったく必要のない部品であり、グラフィックボードがなくても画面が映る、というのが現状。

またグラフィックボードは略してグラボ、と呼ばれることも多いです。

グラフィックボードの価格を決めるのは、GPU

グラフィックボードはそれ自体が、部品の集合体です。
それはたとえばGPUや、冷却ファンなど。

これらの中で、グラフィックボードの価格を決めるのは、ボードに搭載されているGPUのランクです。

GPU(Graphics Processing Unitの略)はグラフィックボードの主要部品で、画面表示に必要な2D(平面)や3D(立体)の計算処理を行います。

そしてグラボを開発している各メーカーは、このGPUを使用して自社のグラボを開発している、というわけ。

たとえば以下の製品の場合、NVIDIA(エヌビディア)というメーカーさんのGTX970というGPUを搭載したグラボを、ASUSTek社が開発・販売している、という形です。

同じGPUを使用したモデルの場合、グラボメーカー・製品による性能及び価格の差はあまりない、というのが一般的。

ですが一部のモデルでは、同じGPUでも高い電圧と強い冷却性能を与え、計算能力を向上させている商品も。(オーバークロック製品)
そういったモデルでは、通常のモデルに比べ多少価格が高くなります。

尚、GPUのメーカーでは、NVIDIA(エヌビディア)とAMDの2社が有名
またCPUで有名なIntel社も、オンボードGPU(後述)を作っています。

ちなみにはるるは、AMD(旧ATI)の『RADEON』というシリーズのGPUがお気に入り。

グラフィックボードがなくても画面が映るわけ

さて、先ほどはるるは、グラフィックボードがなくても画面が映る、と書きました。
それは以下のような理由から。

オンボードグラフィックが搭載されている!

グラフィックボードがなくても画面が映るのは、ズバリGPUが他の場所に搭載されているからです。

マザーボードに映像出力端子(VGA端子 = ミニD-Sub 15ピンDVIHDMIDisplayPort)が付いている場合が、これに該当します。
それらのマザーボードを搭載したPCでは、このオンボードグラフィックを使用して、画面の表示に関する処理を行っています。

その主な方式は以下の2つ。

マザーボードにGPUが搭載されている

こちらの方式では、パソコンの主要部品であるマザーボード(厳密にはチップセット)にGPUが搭載されています。
そのためグラフィックボードが必要ありません。

GPU内臓CPUだから

最近、オンボードグラフィックの主流になりつつあるのが、こちらの方式。

たとえば下記製品では、Intel® HD Graphics 4600というGPUを、CPU(Central Processing Unitの略)と呼ばれる、PCが計算に使用する中心部品に内蔵しています。

そのためこちらの方式でも、グラフィックボードが必要ありません。

これらの方式は内蔵GPUと呼ばれています。

またCPUにGPUが内蔵(統合)されているタイプのGPUは、iGPU(integrated GPU)と呼ばれることもあります。
(内蔵GPU = iGPUという説もありますが、CPU内蔵GPU = iGPUとする意見が多いように思います。)

これに対してグラフィックボードに搭載されている単体のGPUは、iGPUと区別するためにdGPU(discrete GPU)と表現されることもあります。

ほとんどの場合、グラフィックボード(グラボ)は必要ない!

これが今回、はるるが一番伝えたいこと。

ほとんどの場合、多くの方にとってグラフィックボード(グラボ)は必要ありません!
そのため、本来は不必要なグラフィックボードを搭載した高額なPCを買うのは、とってももったいないことなんです!

オンボードグラフィックとグラフィックボードの違い

GPUが行う画面表示に関する処理は、大きく2D(平面)と3D(立体)に分かれる、というのは先ほど書いたとおり。

このうち、オンボードグラフィックとグラフィックボードの処理性能で、最も違いが出るのが、3D(立体)に関する処理性能です。

これに対し、2Dグラフィックスの処理性能は、通常はあまり差がありません。
ただ後述する一部特定用途では、2D性能でも差が出ます。

つまり特定用途を除いては、3Dグラフィックスの処理性能の違い = オンボードグラフィックとグラフィックボードの違い、というわけ。

パソコン作業の多くでは、3D性能はほとんど必要ない!

通常のパソコン作業の多くでは、3D性能はほとんど要求されません
そのため処理の大半が、2Dグラフィックスについてのものとなります。

先ほど、友人が挙げていたパソコンの使用用途である、ExcelやWordでの資料作成、YouTubeによる動画の閲覧、ネットの閲覧。
これらも、3Dグラフィックスの処理性能は必要ありません。

2D性能は、オンボードグラフィックでも十分足りる!

では、2Dグラフィックスの処理性能はどうか。
というと、現在のオンボードグラフィックでは、十分な性能があるものがほとんど。

つまりまとめると

ここまでの話をまとめると。

3D性能が必要な作業をする方、一部特定用途に使用する方以外の場合、グラフィックボード(グラボ)は必要ない!
だから高いお金を払ってグラボ付きのPCを買うのは、もったいないよ!

つまりこういうこと。

尚、グラフィックボードには、動画再生支援機能が付いており、動画再生中のCPU負荷を軽減してくれる商品もあります。
ですがそれを目的に、わざわざ高額なグラフィックボードを買う必要はほとんどないと思います。

今時のPCであれば、オンボードグラフィックでもたいていの動画再生には支障がないはずです。

グラフィックボード(グラボ)が必要なのは、どんな人?

さてここまでで、大半の方にとってはグラボは必要ない!
というのが、よく分かったのではないかと思います。

ではどんな人がグラボを必要とするのか、これも気になりますよね。

PCでゲームをする人

これは、先ほどのはるると友人の電話の内容から察しがついた、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

意外と知られていませんが、実はPCでゲームをすることが可能です。

それはたとえばこんなゲーム。

実はこれ、はるるもはまっていたゲームで、とっても面白いです。

そしてこういったPC用のゲームの中には、高い3D性能を要求するものがあるんです。
そのため、オンボードグラフィックスの3Dグラフィックス処理性能では、性能不足になりがち。

その結果、画面がカクカク(コマ落ち)したり、CTD(Crash To Desktop)と呼ばれる強制終了が頻発し、快適にゲームを楽しめない、というわけ。

こういった事態を防ぐために、PCでゲームをする方には、グラフィックボードが必要でしょう。

画像編集を行う人

画像編集と言えば、Adobe社のPhotoshopIllustratorが有名です。

これらのソフトウェアではGPUの演算能力を使い、処理を高速に行う機能が備わっています
また製図作業に使用するCADソフトウェアにも、同じような機能が実装されています。

そのため、これらのソフトウェアを使って画像編集を行う方は、グラフィックボードを搭載したPCを使用した方が、大幅に作業効率が上がることも。

これが先ほど書いた特定用途。

尚、一般的に販売されているグラボ(のGPU)は、そのほとんどがゲーム用。
そして、NVIDIA社は『GeForce』、AMD社は『RADEON』というブランドで販売しています。

ですが画像編集・CADソフトでOpenGLという機能を有効にしている場合は、OpenGLの処理に最適化された(GPUを搭載した)グラボを使用することで、より効率的な作業が可能になります。

こちらはNVIDIA社では『Quadro』、AMD社は『FirePro(以前はFireGL、FireMV)』というブランドで販売しています。
ちなみにハイエンドになると、40万円を超える商品もあり、大変高価なことでも有名です。

ハイエンド構成のPCを使用する人(ハイエンド構成のPCでは、オンボードグラフィック非対応 = グラボが必要な場合があります!)

先ほどマザーボードに映像出力端子が付いていれば、オンボードグラフィックがマザーボードかCPUに内蔵されているため、グラフィックボードは不要と書きました。
ですがハイエンド(ハイスペックを追求した)構成の場合、マザーボードに映像出力端子が一切搭載されていない場合があります

そのためハイエンド構成のPCを使う方の場合、映像出力のために別途グラフィックボード(グラボ)が必要となります。

GPGPUに使う人

GPGPUとは何ぞや、というと。

GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units; GPUによる汎目的計算)とは、GPUの演算資源を画像処理以外の目的に応用する技術のことである。

(Wikipedia-GPGPUより引用)

GPUはCPUに比べ、単純な計算を並列に繰り返し行うことが得意である、という特徴があります。
これを利用すれば、計算量の多い計算をCPUを利用した場合に比べ、より早く終わらせることが可能です。

そういった用途でGPUを使いたい、という方にも、グラフィックボードは必要でしょう。

尚、この用途向けには、NVIDIA社からTeslaというシリーズのGPUが発売されており、Quadro以上に高い価格設定となっています。
たとえば以下のTeska K80は、2016年6月現在85万円を超える価格で販売されています。

さすがにこの価格帯になってくると、個人で購入するのは難しいでしょう。

そのため個人ユーザーがGPGPU目的でグラフィックボートを使う場合、ゲーム用のハイエンドよりのグラフィックボートを複数枚構成で使用することが多いのが現状です。

ただ複数のGPUを有効に使用し、性能を使い切るGPGPUプログラミングは、GPUを1つだけ使用する場合に比べて難易度が上がります。

最近ではGPGPUの主な用途の一つとして、ディープラーニング(深層学習)が挙げられます。

たとえば10層程度のネットワークの演算をCPUで行った場合、かなりたくさんの時間がかかります。
ところがこれをGPUを使って行うと、CPUの1/10以下の時間で演算が終わります。

ディープラーニング用のGPUを購入する際はGPUの性能だけでなく、VRAM(グラボに内蔵されているメモリー)の搭載量にも注意が必要です。
演算中にVRAMの搭載量が足らなくなるとエラーが発生します。

グラフィックボードが必要かどうかは、よく検討して!

ここまでご説明したとおり、大多数の方にとっては、グラボは不必要であることが多いです。

先ほどの友人の例では、不要なグラボを外すだけで、PCの価格が5万円も下がり、15万円から10万円に安くなりました。
この事実からも、これがいかにもったいないことか、よく分かりますよね。

そのためPCを購入する際にグラボが必要かどうかは、慎重に検討することをおすすめします!

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